研究課題
若手研究
実数である多重ゼータ値と複素関数である楕円モジュラー形式について,両者の関係性を示唆するBroardhurst-Kreimer予想(1997)を中心的な課題とする研究を行なった。本研究の一つの成果として,2重ゼータ値とモジュラー形式の明示対応である「モジュラー関係式」に対する解析的な解釈を与えた結果がある。モジュラー関係式はGangl-Kaneko-Zagier (2006)らにより発見され,その意味を巡って様々な研究が発展している。
整数論
近年,モジュラー関係式を一つの動機として,多重ゼータ値とモジュラー形式を共通の枠組みで捉える研究がヨーロッパを中心にいくつかおこっている。世界的な視点では,むしろ幾何的な方面からのアプローチが盛んであるが,本研究では内在する組合せ的な構造やモジュラー形式の解析理論などに新しい貢献ができたという点において,有意義である。