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2022 年度 実績報告書

標数0および正標数における重さ1のモジュラー形式の明示的計算とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K13394
研究機関獨協医科大学

研究代表者

小笠原 健  獨協医科大学, 医学部, 講師 (90709776)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード法pモジュラー形式 / 重さ1のモジュラー形式 / ガロア群 / 代数体 / ガロア表現
研究実績の概要

重さ1のnon-liftable mod 7 formの計算とPGL(2,7)多項式の探索に関する論文は前年度に概ね書き上げていたが、今年度はその修正作業をおこない国際雑誌に投稿した。本研究では、複素数体上の重さ1の正則モジュラー形式にはリフトしない「non-liftable mod l form」(lは素数)と呼ばれる有限体上の重さ1のモジュラー形式の具体的な計算と、その結果を用いての代数体の探索に取り組んだ。non-liftable mod l formの計算方法についてはSchaefferによる先行研究があったが、本研究ではレベルが素数の場合にエータ積を利用したより高速な計算方法を考案した。この方法を用いて、レベルが法4で3に合同な素数pで、かつ位数2の指標をもつnon-liftable mod 7 formの計算を網羅的におこない、pでのみ分岐かつ分岐指数2のPGL(2,7)多項式の新たな例を発見した。モジュラー形式の計算からわかるのはPGL(2,7)多項式の「存在」だけであるため、多項式そのものを得るにはその探索を別途おこなう必要がある。群PGL(2,7)は次数8であり、8次多項式の探索は計算時間が長くなる。そこで、分岐素数(=p)と分岐指数がわかっていることから、多項式のmod pでの分解の形を指定して探索することで、ターゲットであるPGL(2,7)多項式を発見することができた。また、Schaefferと共同で、レベル281、位数8の指標をもつnon-liftable mod 7 formの計算を通じて、281でのみ分岐かつ分岐指数8のPGL(2,7)多項式を発見した。この多項式は判別式が非常に大きいため、モジュラー形式の計算抜きに発見することは非常に難しいと思われる。この例は、モジュラー形式の計算が、代数体の情報を得るための強力な手段の1つであることを示している。
また、さまざまな素数lについてnon-liftable mod l formを計算し、素数pでのみ分岐するPGL(2,l)、PSL(2,l)多項式の存在を確認しているが、計算時間の問題により実際の多項式の発見には至っていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 1つの素数でのみ分岐するPGL(2,7)拡大の探索 - 重さ1の mod p モジュラー形式の計算の応用 -2023

    • 著者名/発表者名
      小笠原健
    • 学会等名
      九州代数的整数論2023
  • [学会発表] 1つの素数でのみ分岐するPGL(2,7)拡大の探索2022

    • 著者名/発表者名
      小笠原健
    • 学会等名
      大阪大学整数論・保型形式セミナー

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公開日: 2023-12-25  

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