今年度の主な研究内容はBaluyot氏、Goldston氏とTurnage-Butterbaugh氏との研究で、リーマンゼータ関数の零点の対相関に関するMontgomery予想とその正反対の予想となる代替予想についてである。リーマンゼータ関数の非自明な零点がほぼ全て単純零点であることを示すための条件をはっきりさせ、従来の代替予想だけでは得られない理由も明らかにした。
上記以外に、2021年度まで執筆した論文を完成し、投稿・修正などを行なった。該当する論文は次の通りである: <1>(Sourmelidis氏とJoernSteuding氏との共同研究)リーマンゼータ関数とその関数等式のa-点の対相関、値分布と素数定理の関係。<2>(SnehaChaubey氏とSurajSinghKhurana氏との共同研究)セルバーグクラスのL関数の導関数の自明な零点の決定及び臨界線Re(s)=1/2より左側にある導関数の零点と元のL関数の零点の関係。<3>(杉山真吾氏との共同研究)ディリクレL関数の実軸に近い零点の分布について、ランダム行列に関係する重み付き密度。<4>(Goldston氏との共同研究)素数定理とリーマンゼータ関数の零点の対相関との関係。<6>(Goldston氏との共同研究)ゴールドバッハ表現の個数の滑らかな重み付き平均。
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