研究課題/領域番号 |
18K13407
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入江 慶 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (90645467)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | シンプレクティック容量 / Floerホモロジー / 力学系の周期軌道 |
研究実績の概要 |
シンプレクティック幾何学におけるFloer理論と、その応用としてHamilton力学系の周期軌道について研究している。今年度は以下の研究を行なった。 (1):(埋込)接触ホモロジーの持つ性質を公理化してaction selecting functorという概念を導入し、それを用いてReeb流の閉補題を得るためのある十分条件を与えた。この研究についてプレプリントarXiv:2201.09216を発表した。 (2): (1)で得た十分条件を具体的な接触多様体に対して検証するため、接触ホモロジーから定まるシンプレクティック容量の計算に着手した。 (3): 昨年度までに投稿した論文二篇(シンプレクティック・ホモロジーに関するもの一篇、ビリヤード力学系に関するもの一篇)を査読レポートに基づき改訂し、受理された。なお前者の改訂において、シンプレクティック容量の劣加法性が成立しないような新しい(と思われる)例を発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究方針を転換し、接触ホモロジーを用いたReeb力学系の周期軌道の研究を本格化させた。(1)において、この方向の第一歩となる研究結果を得ることができ、その次のステップとなる(2)の研究も少しずつ進んでいるため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
上記(2)の研究を中心にすすめる。 念頭においている応用の一つはReeb流に対する閉補題であるが、他の応用についても幅広く検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
covid-19の影響で出張をほぼ行わなかったため。 次年度も出張はあまり行わない予定であり、大半は書籍と電子機器の購入にあて、研究環境の充実を図りたい。
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