研究課題/領域番号 |
18K13426
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
角田 謙吉 大阪大学, 理学研究科, 助教 (10783938)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 確率論 / 粒子系 / 流体力学極限 / 鋭敏な界面極限 / 混合時間 / 排他過程 / 零距離過程 |
研究実績の概要 |
今年度はGlauber+Kawasaki過程に対する混合時間の問題に取り組んだ。前年度に京都大学の田中亮吉氏と同問題に取り組んだが、研究代表者一人の研究として行った問題を論文にまとめる作業が残っていた。本年度の初めにその結果を論文にまとめarXiv及び論文誌に投稿した。 また早稲田大学の舟木直久氏、金沢大学のPatrick van Meurs氏、University of ArizonaのSunder Sethuraman氏と粒子の生成・消滅と速度変化を伴う排他過程に対する鋭敏な界面極限について研究を行った。この粒子系の巨視的な粒子数密度は非線型反応拡散方程式で記述されることが自然に予想される(流体力学極限)。またある種のバランス条件が成立するときに非線型反応拡散方程式に対して鋭敏な界面極限をとると、極限において平均曲率流が現れることが近年示されている。この二つの極限を同時に考え先述の粒子系に対して適切なスケール極限をとることにより、極限において平均曲率流が現れることを示した。この結果を論文にまとめarXiv及び論文誌に投稿した。 その他これまで行ってきたSeoul National UniversityのInsuk Seo氏との共同研究を論文にまとめる作業を行った。まだ途中ではあるものの、大部分については作業が進んでいる状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
田中氏との共同研究や、舟木氏らとの共同研究については結果をすでにまとめ論文誌に投稿しているので、研究は順調に進展していると言える。またSeo氏との研究も、まだまとめる部分があるとはいえ、大部分については論文を書き終えているので、順調に進展していると言える。しかしながらコロナウイルスによる影響からSeo氏や Instituto de Matematica Pura e AplicadaのLandim氏を訪ねて議論することができておらず、とくにLandim氏との研究が進展していないことが現状の問題である。
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今後の研究の推進方策 |
Seo氏との共同研究については残りの数学部分の完成を目標に研究を進める予定である。Seo氏との共同研究が完成した後、Landim氏との共同研究を進める予定である。その他の研究として、舟木氏らとの共同研究ではある種のバランス条件が成立している状況を扱ったので、時間があればバランス条件が成立していない状況についての研究を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響により多くの出張がキャンセルになったため。
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