研究実績の概要 |
当該年度では,Morrey空間,Orlicz-Morrey空間上のOrlicz分数冪極大作用素の有界性を研究した.Morrey空間上におけるOrlicz極大作用素の有界性に関する条件については, 論文Sawano, Y., Sugano, S., Tanaka, H.: Orlicz-Morrey spaces and fractional operators, Potential Anal. 36, 517-556(2012)で詳細に調べられているが,Orlicz分数冪極大作用素に関する必要十分条件に関しては調べられていなかった. 論文Cruz-Uribe, D., Moen, K.: A fractional Muckenhoupt-Wheeden theorem and its consequences,. Integral Equ. Oper. Theory 76(3), 421-446(2013)により, Lebesgue空間上のOrlicz分数冪極大作用素の有界性が成立するための十分条件が示されていたが, 当該前年度において,申請者と澤野嘉宏教授との共著論文, Orlicz-fractional maximal operators on weighted L^p spaces, J. Math. Inequal. 13(2), 369-413(2019)により, Orlicz分数冪極大作用素のLebesgue空間上の有界性が成り立つための必要条件が判明した. 当該年度において,Morrey空間上の分数冪積分作用素の有界性として知られるAdamsの不等式,Olsenの不等式をOrlicz分数冪極大作用素の有界性へ一般化するための十分条件について研究した.日本数学会2019年度秋季総合分科会実函数論分科会,実解析シンポジウム2019においてOrlicz-fractional maximal operators in Morrey and Orlicz-Morrey spacesという講演題目で講演発表を行った.なお,単著論文として2020年1月に掲載決定の連絡を受け取り,2020年5月にオンラインで出版された(Takeshi Iida, Orlicz-fractional maximal operators in Morrey and Orlicz-Morrey spaces, Positivity, published in online, DOI: 10.1007/s11117-020-00762-w).
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