研究課題
不変量版ラムゼー型問題の研究を中心として,禁止グラフ条件によって生成されるグラフクラスの比較を行った.また,それと並行して,禁止グラフ条件との親和性が高いグラフの次数因子について新たな問題を提唱し多くの成果を得ることができた.不変量版ラムゼー型問題については,主に道グラフによる被覆・分割問題の有向グラフへの拡張を目指した研究を行った.その結果,私自身が以前に解決した無向グラフの成果を基礎とすることで,有向グラフと有向道に関する不変量版ラムゼー型問題を完全解決することができた.有向グラフの禁止グラフ条件に関する研究は近年注目を集めており,Gyarfas-Sumner予想の類似問題が考察されるなど,大きな進展がみられる.しかしその多くは問題特有の議論によるものであり,一般的に有用な手法が整備されていなかった.一方で本研究では無向グラフとのギャップを埋める段階的解決という明確な方針を与えている.したがって本研究は成果だけでなく,証明過程自身にも意義があるものになった.次数因子については,与えられたグラフの頂点を2つに分割し,それぞれに課す次数条件が異なるという形の問題を考えた.これは因子理論の新たな切り口であり,既存研究の一般化を与えるものである.特に本研究において重要な概念であるclaw-free性を用いた成果などを得ることができた.また,因子理論の常套手段として知られる交互道の議論に新たな技法を提案するなど,証明技術においても大きな進展があった.
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Applied Mathematics and Computation
巻: 458 ページ: 128205~128205
10.1016/j.amc.2023.128205
Graphs and Combinatorics
巻: 39 ページ: #85
10.1007/s00373-023-02680-6
https://sites.google.com/site/michitakafuruya/