(1) 前年度の結果(有限体積法に関する離散半群の理論)を利用して,Keller--Segel 方程式に対する質量と正値性を保存する有限体積法 (FVM) の最適誤差評価を得られた.離散解の事前評価に工夫を入れて,安定性を示した.2017に発表された先行研究の結果に比べて,収束オーダーを改善し,離散解の安定性仮定も不要になった. 意義を重要性:我々はFVMの離散半群理論を複雑な非線形方程式に適用することを成功した.本研究の解析手法は Keller--Segel 方程式だけではなく,他の非線形方程式にも適用できる.FVM 離散半群理論の応用にとって重要な貢献と言える. (2) DG 要素は離散 Sobolev 空間であり,研究課題に関連する.不連続な Galerkin (DG) 要素を利用する Stokes--Darcy 方程式の Penalty 法と Nitsche's 法の研究を行った.最適な安定性と誤差評価を得るため,我々は DG 要素に関する離散 H^{1/2} ノルムと逆 Trace 作用素の理論を構築した. 意義を重要性:本研究で得られた離散 H^{1/2} ノルムと逆 Trace 作用素に関する理論結果は DG 法の一つの基盤理論であり,様々な問題に応用できる.
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