研究実績の概要 |
3変数FitzHugh-Nagumo型反応拡散方程式における空間局在解(パルス解やスポット解)のダイナミクス、およびそのメカニズムを分岐理論の観点から明らかにする。本年度は空間2次元で見られる界面のダイナミクスについて研究を行なった。パラメータα, β, γが適当な条件を満たすとき、この系は双安定系となり、2つの安定な状態を分ける界面(フロント解)や空間的に局在化したスポット解などが現れる。このような解の存在や安定性、ダイナミクスを解析的に調べるため、まず方程式のu成分に含まれる微小パラメータεを0にする極限(時定数と界面幅が非常に小さいという極限)を考えることで、u成分の方程式を界面(1次元曲線)の運動方程式へ縮約した。次いで、界面の運動が遅く、曲線上の各点で曲率が十分小さいという条件のもと、残りの v成分とw成分の解も摂動的に構成し、界面の曲率と法線速度に関する方程式(積分微分方程式)を導出した。
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