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2021 年度 実績報告書

高密度粒子系の非局所性に基づく新しい連続体理論の展開

研究課題

研究課題/領域番号 18K13464
研究機関京都産業大学

研究代表者

齊藤 国靖  京都産業大学, 理学部, 准教授 (10775753)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードレオロジー / 粘弾性 / 弾性 / 塑性 / 音波 / 拡散 / 輸送現象
研究実績の概要

最終年度は高密度粒子系のせん断変形に見られるせん断応力の揺らぎに注目して研究を行った。まず、分子動力学法を用いた数値シミュレーションにより、ランダムな粒子系のせん断変形を再現する。ここで、粒子密度はジャミング転移点よりも大きく設定し、粒子系はせん断変形によって塑性を示す様な状況を想定している。初期状態において粒子系のせん断応力はほぼゼロだが、せん断歪みの増大に伴って徐々に大きくなり、降伏点を超えると平均値の周りで揺らぐ様になる。シミュレーションでは粒子系のせん断応力をダイレクトに測定できるため、降伏点に至るまでの増大や、降伏点を超えた後の定常状態まで再現されているのを確認することができる。本研究で注目したのは定常状態におけるせん断応力の揺らぎであり、特にせん断応力が急降下するアバランチという現象に焦点を当てて解析を行った。ここで、せん断応力が急降下するといっても個々の粒子が破壊される訳ではなく、せん断歪みを加えることによるエネルギー増加を緩和させるため、内部の粒子が配置替えをするのが主な要因である。アバランチはせん断応力の落差で定量化されることが多いが、その他にも急降下の持続時間や降下速度の最大値なども重要な指標である。また、アバランチによってエネルギーが解放されることは地震現象とも類似しているため、防災など応用の観点からも重要である。そこで、地震に関連して実際の地面を構成する土砂に近い粉体のモデルを分子動力学法に適用し、特に粒子間の摩擦力の強さがせん断応力の落差や持続時間および降下速度の最大値などにどの様な影響を与えるかを明らかにした。また、これらの分布関数が理論予測とどの程度一致するかを精査した。
最後に、研究期間全体を通して研究はおおむね順調に進展し、高密度粒子系の非局所的レオロジー、応力緩和、音波特性、拡散現象、アバランチなど、様々な物性に関する新しい見解が得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] デルフト工科大学(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      デルフト工科大学
  • [雑誌論文] Dynamic Susceptibilities in Dense Soft Athermal Spheres Under a Finite-Rate Shear2021

    • 著者名/発表者名
      Oyama Norihiro、Kawasaki Takeshi、Saitoh Kuniyasu
    • 雑誌名

      Frontiers in Physics

      巻: 9 ページ: 667103:1-9

    • DOI

      10.3389/fphy.2021.667103

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The role of friction in statistics and scaling laws of avalanches2021

    • 著者名/発表者名
      Saitoh Kuniyasu
    • 雑誌名

      The European Physical Journal E

      巻: 44 ページ: 85:1-11

    • DOI

      10.1140/epje/s10189-021-00089-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 変形可能粒子のジャミング転移2021

    • 著者名/発表者名
      山中貞人, Brian P. Tighe, 齊藤国靖
    • 学会等名
      日本物理学会 2021年秋季大会

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公開日: 2022-12-28  

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