本研究課題では、なるべく性能を犠牲にせずに量子鍵配送の装置モデルをより現実に即するよう拡張し、実験によって確認できるデータを用いて安全性を保証することを目的として研究した。量子鍵配送の装置モデルを拡張する研究は様々あるが、多くのものは解析が簡単になる実験時間が無限の場合の漸近的性能を扱っている。この課題では、実験時間が有限の場合の解析を行ったのが特徴的である。 扱った題材は、光源の厳密な検定方法、装置簡略化の悪影響の回避方法、光子検出器より安価な光検出器を使って量子鍵配送を行う方法、様々な装置不完全性に自動的に対応できる数値手法の開発である。
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