研究課題
多端子系ジョセフソン接合におけるワイル特異点の創発と系の制御による特異点の移動、特異点の対消滅・対生成をともなる軌道によるトポロジカル相の新たな分類に着手した。ワイル特異点は2つずつの正と負のトポロジカル電荷を持つ4つの組みで現れる。4端子系で系を電気的制御する場合、2つの対消滅・対生成は同時に生じる。従って、トポロジカル相転移は特異点の数が4と0の間でのみ生じる。一方、5端子系で超伝導位相制御で特異点の対消滅・対生成が生じる場合、それらは同時に起きず、相転移は特異点の数が4、2、0の間で生じる。前年度の報告で示した、同一または隣接する(位相差空間での)ブリュアンゾーンの特異点間で生じる開軌道・閉軌道をその相転移の順序によって動的トポロジカル相として説明できる。本成果は論文として執筆中である。多端子系ではトポロジカル物性に加えて、スピン軌道相互作用なしで異常ジョセフソン効果が創発される。異常ジョセフソン効果は2つの超伝導端子間に位相差がないにも関わらずジョセフソン電流が流れる現象である。多端子化によって材料に依存しない異常ジョセフソン効果、およびそれに起因したジョセフソンダイオード効果を得た。その理論計算は実験結果を定量的によく説明する。実験素子ではゼロエネルギー状態が安定的に生じている。これは素子にはたらくスピン軌道相互作用に起因しており、理論的な議論と一致している。以上の実験グループとの共同研究も論文3報として投稿中である。その他、電磁場と素励起応答などに関して成果を報告している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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