グラフェンをはじめとする2次元物質とは、層状物質を劈開して得られる、厚みナノメートルオーダーの超薄膜である。それは、元となるバルク結晶とは、全く異なる電子相を有する。さらに2次元物質をデバイス化すると、その電子相の新たな性質、機能が明らかになる。まさに2次元物質デバイスには、新奇な物性、機能が無数に潜在している。本研究において注目したのは、薄膜デバイス化によって初めて実現、発見された、熱力学的準安定な電子相である。2次元物質デバイスに関する電子顕微鏡観察や、雑音測定を通して、その準安定電子相の微視的構造が明らかになった。
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