研究実績の概要 |
細胞組織の連続体理論に関しては、東京大学の石原秀至氏らと2細胞混合系に関する定式化を進め、数値的な実装も進める予定であった。しかし、出張制限などにより、国内、海外の研究者との共同研究に関する議論が進められない部分も多く研究の進捗が十分ではなかった。しかしながら、2細胞混合系の理論的な定式化は境界以外では定式化のめどが立っており、1細胞系での界面の取り扱い方を延長することで境界も含めた2細胞混合系に関する定式化が可能であると考えている。この手法により、実験を行なっている東京大学の杉村薫氏などと共同し細胞競合などの2細胞混合系のダイナミクスを理論的な方面から解析することができるのではないかと期待している。 昨年度に引き続き、大阪大学の松下勝義氏、藤本仰一氏とCellular potts modelを用いた、極性の記憶効果による極性揺らぎの抑制効果に関する研究を進め、論文の投稿を行い、J. Phys. Soc. Jpn., Vol.90, No.5, Article ID: 054801 (2021)として発行された。 また、慶應大学の藤谷洋平氏と本研究とも類似する側面を持つ問題として臨界流体中での界面の安定性の研究を開始した。解析的な方面でいくつかの進展があったものの、具体的な数値解析がさらに必要であると考えている。さらに、細管中の臨界2元混合系の圧力勾配、化学ポテンシャル勾配下での流動に関しても研究を行い、論文を近いうちに投稿する予定である。
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