研究課題/領域番号 |
18K13516
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2021-2023) 九州大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
藪中 俊介 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (60749852)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞競合 / 細胞選別 / 細胞組織 / 温度勾配 / 臨界現象 / 繰り込み群 / 2成分流体 |
研究成果の概要 |
細胞増殖の効果を取り込んだ連続体理論、およびその数値解析のための数値スキームを構築した。さらに2種細胞系の場合にも理論を拡張し、細胞選別、細胞競合の効果を記述する連続体理論を構築した。細胞選別の状況での数値解析を行い、二種類の細胞の動的な性質の非対称性(動きやすさの違い)に応じて、平衡系では生じないような非平衡系特有の相分離現象が生じることを発見した。またこのような理論の母体となるような平衡近傍の相転移理論の基礎的な研究も行い、従来知られていなかったO(N)模型の繰り込み群の固定点の構造や臨界点近くの二成分系の温度勾配下での輸送特性を明らかにした。
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自由記述の分野 |
非平衡、ソフトマター物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞組織のダイナミクスの理論的な理解は、生体組織の形成を理解する上で重要であり、長期的な視野においては医療への応用が見込まれると考えられる。また細管中の二成分混合系における輸送特性の理解は、非平衡環境下での物質輸送特に、浄化、あるいは、濃縮などの技術への応用につながると考えられる。さらに繰り込み群による相転移現象の基礎付けは、物性物理の幅広い分野に加え、原子核、素粒子を記述するモデルである場の理論を深く理解する上で重要である。
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