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2021 年度 実績報告書

1次元リボン状氷の構造と物性:楕円筒形カーボンナノチューブを用いた研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K13518
研究機関神奈川大学

研究代表者

客野 遥  神奈川大学, 工学部, 准教授 (10746788)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード水のナノサイエンス / カーボンナノチューブ / ナノ氷 / プロトン輸送 / 誘電体
研究実績の概要

制限された空間に閉じ込められた水は、バルクとは異なる振る舞いを示す。これまで研究代表者らは、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の有する1次元円筒空洞に内包された水の物性を明らかにしてきた。本研究ではその研究のノウハウを活かし、SWCNTのチューブ軸に垂直な方向の外部圧力により変形させたSWCNTに水を内包させ、その物性を調べることを目的とする。
昨年度までの研究では、じゅうぶんに変形させて扁平化したSWCNTについて、内包水がこれまでにない新しい氷結晶(扁平なリボン状の氷)を形成することを古典分子動力学(MD)計算により示した。このリボン状氷において水分子のプロトンは秩序化しており、リボン幅を変えることでその誘電特性を制御可能であることも示唆された(H. Kyakuno et al., J. Phys. Chem. C, 2018)。さらに反応力場を用いたMD計算を行い、著しく高いプロトン輸送度を示すリボン状氷の構造的特徴と内包水密度、およびその輸送特性を明らかにした。プロトンは、主にリボン状氷のエッジをホッピング拡散し、室温でバルク水より速い拡散をする。
本年度は、プロトン輸送度の温度依存性を調べた。その結果、(1) 液体から固体(リボン状氷)への相転移にともない、プロトン輸送度が著しく変化すること、(2) リボン状氷では、液体状態のときと比べてプロトン輸送(ホッピング)の活性化エネルギーが小さいことが分かった。さらに、プロトン輸送のシステムサイズ(すなわちSWCNTの長さ)依存性を調べることにより、本MD計算の信頼性を検討した。これら一連の研究成果について、論文投稿の準備をしている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 制限ナノ空間における水の物性2022

    • 著者名/発表者名
      客野 遥
    • 雑誌名

      日本物理学会誌

      巻: 77 ページ: 215~221

    • DOI

      10.11316/butsuri.77.4_215

  • [学会発表] Proton transport through ice nanoribbons2021

    • 著者名/発表者名
      H. Kyakuno, H. Ogura, K. Matsuda, Y. Maniwa
    • 学会等名
      11th LIQUID MATTER CONFERENCE 2020/2021
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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