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2023 年度 実績報告書

不均一な弾性体の力学特性の研究に基づくメカニカルメタマテリアルの設計原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K13519
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

佐野 友彦  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (00791378)

研究期間 (年度) 2021-03-01 – 2024-03-31
キーワードメカニカルメタマテリアル / 力学と幾何学 / 弾性論
研究実績の概要

微細構造を精緻にデザイン可能なシェルとしたシェル構造の集合体の力学応答を実験的に明らかにすることを目的として研究を行い,論文を出版した.シェル集合体の負荷除荷サイクル試験のシミュレーションと実験を比較する過程で,シェル同士は複雑に力を及ぼしあうことがわかった.昨年度は2つのシェルを対称軸を合わせた状態で押し付け合った際にType I とIIの2種類のはめあいモードがあることを発見した.集合体を圧縮するとシェルはランダムに配列されているため,シェル同士が転がり合うモードが見られた.集合体の力学特性を予測するためには転がりモードの力学特性を調査する必要があることがわかった.

メカニカルメタマテリアルの例の一つとして折り紙が挙げられる.本研究の対象とする乱れたメカニカルメタマテリアルの例として,折り紙に対する力学試験を実施した.折り紙の最も単純な形状である角錐を取り上げた.近年、円錐形のシェルに鉛直方向から撃力を加えると、同様のパターンがロバストに出現することがGottesman(2018)らによって報告された.彼らの研究によると、出現するダイヤモンドの法線方向の長さと、円錐の頂点からの距離に相関関係があることが分かっているが、ダイヤモンドパターンを発生させるメカニズムは完全には理解されていない.
本研究では、点欠陥に加えて線欠陥にも着目し、同様の撃力を加えて破断させ、どのようなパターンが出現するかを調べた.実験の結果、角錐は円錐よりも速く座屈することに加え、撃力を与えた際により転倒しやすいことが示唆された.
角錐は、撃力の作用点付近で起こるローカルな変形に加えて、作用点から離れた点で起こるノンローカルな変形も観察された.ノンローカルな変形はGottesmanの先行研究では報告されておらず、新しい変形モードとみなせる可能性がある.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件)

  • [国際共同研究] INRIA, CNRS, Universite Grenoble Alpes(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      INRIA, CNRS, Universite Grenoble Alpes
  • [雑誌論文] Randomly stacked open cylindrical shells as functional mechanical energy absorber2023

    • 著者名/発表者名
      Sano Tomohiko G.、Hohnadel Emile、Kawata Toshiyuki、Metivet Thibaut、Bertails-Descoubes Florence
    • 雑誌名

      Communications Materials

      巻: 4 ページ: 59

    • DOI

      10.1038/s43246-023-00383-2

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Crack propagation on bilayer spherical shells2023

    • 著者名/発表者名
      T Sano, N Sekiya, Y Akiba
    • 学会等名
      the American Physical Society March Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Jumping dynamics of spherical shells driven by snap-through buckling2023

    • 著者名/発表者名
      T Abe, S Shimizu, Y Nakahara, H Takahashi, G Ishigami, T Sano
    • 学会等名
      the American Physical Society March Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Bending deformation of tape-springs by a curved indenter2023

    • 著者名/発表者名
      S Nomura, T Sano
    • 学会等名
      the American Physical Society March Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Bending rigidity of fluid-running tubes2023

    • 著者名/発表者名
      S Shibuya, T Sano
    • 学会等名
      the American Physical Society March Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Investigating the compaction of open ring stacks through real and numerical experiments2023

    • 著者名/発表者名
      T Metivet, E Hohnadel, TG Sano, T Kawata, F Bertails-Descoubes
    • 学会等名
      HFSS 2023-International Conference on Highly Flexible Slender Structures

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公開日: 2024-12-25  

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