研究課題/領域番号 |
18K13558
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
茅根 裕司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (90649675)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 重力波 / データ解析 / マイクロ波 / 宇宙マイクロ波背景放射 / 装置開発 / ビックデータ / インフレーション / 構造形成 |
研究実績の概要 |
次世代宇宙マイクロ波背景放射観測実験Simons Observatoryは、現在進行中の第3世代実験と将来の第4世代実験である「CMB-S4」とをつなぐ実験であり、次の5-10年間の間最高の感度を実現し得る地上CMB実験に位置づけられている。本年度は昨年度から引き続き小口径望遠鏡(Small aperture telescope, SAT)によるBモード測定に向けた解析準備を、私もco-leaderの一人を担っているSimons Observatory内のPipeline working group、およびAnalysis working groupの各メンバーと連携して進めてきた。特に装置起源の系統誤差の検討、スーパーコンピュータに代表される高性能計算機(High Performance computing, HPC)での使用を前提としたパイプラインフレームワークの開発を最新のCMB実験であるSimons Arrayの解析準備と合わせながら進めてきた。特にBモードデータ解析の準備として、「フィルター・ビンマップメイキング」を使用した際に生じる「時系列プロセスで生じてしまうEモードからBモードへの漏れこみ」を除去する手法の開発および検証を行った。また、前世代の実験であるPOLARBEARでのデータ解析、またPOLARBEARで開発した解析コードの最新・次世代実験への活用・移植を積極的に進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HPCでの使用を前提としたパイプラインフレームワークの開発はメインのLBNLの研究者と協力しながら進め、順調である。最新のCMB実験であるSimons Array実験の解析コードの開発を進め、これを使った実際の解析も進んでいる。また「時系列プロセスで生じてしまうEモードからBモードへの漏れこみ」所謂Observation matrixによる手法の検証を行い、基本的な確認を成功裏に終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発・検証を行ってきたHPCの使用を前提としたパイプラインフレームワーク、Simons Array実験の解析コード、そしてフィルター・ビンマップメイキング+Observation matrixを統合し、Bモードパイプラインを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究延長による。詳細は備考欄を参照。 使用計画に関しては、COVID-19の状況を鑑みながら国際・国内出張の可否を判断しながら、予算使用に関しては柔軟に対応する。
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