我々が進めている宇宙の開闢に迫るSimons Observatory実験の設計・開発・建設を進めてきた。Simons Observatoryは南米チリ・アタカマ砂漠で建設が進められている次世代宇宙マイクロ波背景放射観測実験である。 我々は特に、宇宙の開闢の直接的な証拠になり得る「原始重力波」を、宇宙マイクロ波背景放射のBモード偏光を通じて観測する準備を進めてきた。本研究では特に原始重力波起源信号を検出するためのデータ解析パイプラインを、開発グループのリーダーの一人として進めてきた。 次世代の観測においては、「解析起因の漏れこみ」系統誤差を除去する手法の開発が急務である。本研究では、チリで行う実験としては初めて「観測行列」を用いた「Bモード純化」手法の開発を進めてきた。これまでに実際の観測に耐えうるレベルでの系統誤差除去が実現可能であることを示すことに成功した。この成果をもとに解析パイプラインへの実際の実装が進んでおり、観測データへの準備も急速に進めている状況である。
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