現在の宇宙には様々な銀河が存在している。星形成を終えたような年老いた重い楕円銀河は銀河団のような高密度領域でよく発見され、一方で星形成が活発な若い渦巻銀河は周囲の銀河数が少ない低密度領域に存在している場合が多い。このように銀河の性質と周囲の密度環境には密接な関連があることが知られている。この関係性がどのように作られたのかを理解するためには、現在の宇宙だけではなく遠方宇宙を観測することで形成途中の銀河団である原始銀河団を直接調べることも重要である。しかし原始銀河団は稀な天体であるため発見数が少なかったが、本研究により大規模な原始銀河団サンプルを構築することができ、系統的な研究が可能になった。
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