高解像度の干渉計観測を使用して、銀河中心を取り巻く分子雲(いわゆるCentral Molecular Zone, CMZ)における星形成活動を研究した。本研究により、CMZ全体での星形成率は、この領域のほとんどの個別分子雲の星形成率と同様に、観測されている分子雲から期待される星形成率の10分の1以下であることが判明した。一方で、CMZにおける(0.3光年未満の)小さな空間スケールの星形成は正常であることもわかった。したがって、CMZにおける非効率な星形成を理解する鍵は、(数光年以上の)大きな空間スケール、たとえば雲が崩壊するのを妨げる強い乱流の存在、にあると言える。
|