星間空間を漂うダストの数密度,サイズ,化学組成,結晶構造,形態はダスト生成の初期過程である気相中での核生成に支配される.近年,シリケイトなどの酸化物系ダストの核生成経路が極めて多様であることが理論,実験的に明らかになってきた. 本研究では,酸化物系ダスト生成を模擬した実験において,核生成過程の赤外スペクトルを“その場” 測定し,生成物の電子顕微鏡観察,分子クラスターの量子化学計算と比較することで,酸化物系ダストの生成メカニズムを再考した.過飽和気相中に生じる前駆体クラスターの酸化が十分ではない場合,金属と酸化物に相分離するメカニズムを提案した.
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