研究実績の概要 |
研究で使用する広視野 CMOS モザイクカメラ: トモエゴゼンの開発, およびトモエゴゼン試験機によって取得した流星観測データの解析を実施した. トモエゴゼンの開発は順調に進行中である. トモエゴゼンは全部で 4 台のモジュールから構成されるが, 2018 年 11 月には 2 台目, 2019 年 3 月には 3 台目のモジュールが完成した. 観測運用のためのカメラコントロールシステム等の開発もおこなった. 現在は 3 台のモジュールによって安定して観測ができる状態を確立している. 本研究で使用するための専用のフィルタホルダを設計作成した. 色ガラスフィルタをもちいた観測試験によってフィルタホルダが設計通りに制作されていることを確認した. これまでにトモエゴゼン試験機によって取得した流星データの解析結果をまとめて国際研究会 "The 45th Annual European Meeting on Atmospheric Studies by Optical Methods" にて報告した. 木曽観測所シュミット望遠鏡とトモエゴゼンをもちいることで 12 等級までの暗い流星までを検出できること, および同システムに一晩に 1,000 から 2,000 件の流れ星を検出する能力があることを示した. 本研究成果は査読論文として Planetary and Space Science 誌にて出版された. 木曽観測所 105-cm シュミット望遠鏡と広視野 CMOS モザイクカメラ: トモエゴゼンによる動画サーベイによって最先端の流星研究が可能であることを実証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カメラの開発および既存のデータの解析については順調に進んでいる. 予定していたフィルタホルダの作成も完了した. 一方で, データ解析の結果から, 当初計画していた分光素子をそのまま使用した場合, 流星の色を正しく求められない可能性が示唆されたため 2018 年度は分光素子の購入を見送った. 流星の色を得るためのシステム構成の検討を改めて進めている.
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