研究実績の概要 |
本研究では広視野 CMOS モザイクカメラ "トモエゴゼン" の用いた微光流星の観測によって惑星間空間ダストの組成を明らかにすることを目標としている.これまでに光学フィルタシステムの作成,および透過型分散素子を用いた分光観測試験,測光フィルタを用いた微光流星の観測をおこなった.2021 年度にはトモエゴゼンの観測運用とこれまでに取得したデータの解析を進めた.2019 年と 2020 年の 12 月には京都大学 MU レーダをもちいてふたご座流星群の同時観測を実施した.これらの観測では散在流星も一緒に観測されている.2018 年 4 月に観測した散在流星のデータとこれらの比較することによって,散在流星における可視光度・レーダ反射断面積の関係の再検証,および散在流星の光度関数の季節・年変化について調査を進める予定である.また 2020 年 10 月には g, r, i バンドの測光フィルタを取り付けて流星の観測を実施した.解析ソフトウエアの開発とデータ解析を並行して進めている.それぞれのバンドで撮影した流星の光度関数を比較することで,分光が難しい微光流星の色を観測的に制限することができる.今後もデータ解析を継続することで 1 m 級望遠鏡と高感度カメラによる微光流星の観測としてユニークな成果となることが期待される.
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