カントやラプラスの時代に実証科学の対象として昇華せしめられた太陽系の起源に関わる問いは、今なお一定の答えを得るには至っていない。その理由の一つには、外側太陽系への探査が実現した現代に至ってもなお、人類が太陽系の最外縁部であるオールトの雲領域の観測技術を持ち合わせていないことにある。
本研究ではオールト雲天体が恒星の手前を通過する『掩蔽』と呼ばれる天文現象を利用することで、極めて安価で小型ながら、オールト雲天体の観測を実現できる観測システムの開発を実現した。今後本格的な観測を実施することで、史上初めてオールトの雲の領域の天体の検出を実現できる見込みである。
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