研究課題
若手研究
すばる望遠鏡広視野撮像装置Hyper Suprime-Camによる掃天観測データから太陽系小天体のサイズ頻度分布を高精度で測定する手法を確立し、太陽系外縁天体の中でも始原性の高い天体集団の直径100km前後でサイズ頻度分布を決定した。加えて、同手法によって測定した木星トロヤ群やヒルダ群小惑星は同一のサイズ頻度分布を示すとともに、メインベルト小惑星のそれとは異なるという結果が得られた。このことから、それらの起源は小惑星帯よりも巨大惑星領域で形成された外縁天体集団に近いと推測される。
惑星科学
本結果は、太陽系初期における微惑星形成、惑星成長、およびその後に起こったと考えられている惑星大移動とそれに伴う小天体の大規模力学進化を理解するうえで重要な手掛かりを与え得る。本研究課題を発展させる必要性があることは明白で、今度さらなる観測研究を推し進めることが求められる。また、将来の大型地上望遠鏡や宇宙望遠鏡、宇宙探査機による観測・探査方針の策定などへの貢献も期待される。