研究課題
若手研究
隕石に含まれる,CaとAlに富む難揮発性包有物(CAI)は,初期太陽系において1800から1400 K程度の高温のガスから凝縮したダスト,もしくはそれらを材料とした,太陽系最古の物質である。本研究では,高温のガスから凝縮して形成したとされるCAIの系統的な高精度年代測定を行い,太陽系円盤における高温形成ダストの凝縮生成プロセスが,太陽系最初期の少なくとも約40万年間続いていたことを解明した。
同位体宇宙化学
太陽系進化の歴史解明は,我々の住む太陽系がどのように形成したかを知るのみならず,宇宙空間に無数に存在する惑星系の進化を解明する手がかりとなる,宇宙惑星科学における重要課題の一つである。本研究では,太陽系最初期の固体形成プロセスの年代を,隕石中の物質を測定することで,直接明らかにした。約1500 Kから1700 Kの高温のガスから鉱物が凝縮する現象が,太陽系誕生時から少なくとも約40万間続いていたことが示された。