自由振動研究はおよそ二世紀にわたる長い歴史があり、その存在が理論的に予測されてきた。ところが現実大気中での検出は、これまでごく一部の長周期(数日~十数日スケール)なものに限られていた。本研究は、最新のデータを使って大気中の自由振動を広い周波数領域にわたって多数検出することに初めて成功したものである。これら自由振動の励起源としては熱帯の降水に伴う潜熱加熱が有力候補とされてきた。しかし、自由振動に伴う熱帯降水を調べたところ、降水はむしろ自由振動によって引き起こされたものと考えられ、励起源としての役割は弱いことが示唆された。
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