研究課題/領域番号 |
18K13622
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
小木曽 仁 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 主任研究官 (40739140)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地震波減衰 / 地震波散乱 / 不均質構造 / 地震動即時予測 |
研究実績の概要 |
本年度は、地震波減衰・散乱構造の推定にあたって3次元速度構造の影響を考慮できるようプログラムを改修し、関東・中部地方の地震波形記録を収集するとともに、各記録の減衰・散乱パラメータをエンベロープフィッティングの手法を用いて推定した。得られた減衰・散乱パラメータは地域によって大きく変動し、地下構造の不均質性を強く反映していると推察される。次年度は、得られた減衰・散乱パラメータを3次元空間に投影することによって、関東・中部地方の3次元地震波減衰構造を推定する。あわせて、得られた減衰構造を強震動予測のひとつである地震動即時予測に活用するため、地震動即時予測プログラムに本研究で得られた減衰構造を反映できるような改修を行い、2016年熊本地震を対象としてその効果を測定した。本研究では地震波散乱モデルとして先行研究よりやや複雑なモデルを採用したため、先行研究より地震波エンベロープ全体の予測精度が向上した。そのうえで、比較基準となる一様構造における最大震度の予測精度が良好だったため、不均質減衰構造の効果は想定より小さかったものの、不均質構造を導入することにより震度の即時予測精度が向上することを確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は速度不均質構造を考慮した減衰構造推定の一歩を踏み出すことができたものの、新型コロナウイルスの影響もあって学会発表や論文執筆等の成果発表に遅れが出てしまった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、まずは今までに得られた西南日本の不均質減衰構造の推定結果やその地震動予測、特に即時的な予測への効果に関する成果を公表するための論文執筆を集中的に行う。そのうえで、関東・中部地方の不均質減衰構造推定へと対象地域を拡張し、また、特に地震動即時予測に着目して得られた減衰構造の活用を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は新型コロナウイルスの影響により、国際学会がオンライン開催となったため時差の影響を考慮して参加を取りやめた。また、執務環境も一昨年度から大きく変化したため、論文執筆が必ずしも予定通りに進行しなかった。次年度は、本研究で得られた成果を広く公表するための論文執筆を集中的に行い、本課題の研究費は論文出版に関係する経費として使用する。
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