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2018 年度 実施状況報告書

阿蘇山・伊豆大島火山における比抵抗構造異方性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K13631
研究機関東京大学

研究代表者

南 拓人  東京大学, 地震研究所, 特別研究員 (90756496)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード阿蘇 / 火山 / 電磁気 / モニタリング
研究実績の概要

平成30年度においては、当初の計画通り、阿蘇山におけるACTIVE観測システムの全自動化に成功した。伊豆大島ですでに運用されているACTIVE連続観測システムを参考にしながら、阿蘇山ではトランスミッタ1台、インダクションコイルレシーバ3台を導入した。必要なソーラーパネル等のバッテリー充電設備、及び、データ転送設備を整え、平成30年10月にACTIVE全自動観測がスタートしている。観測データの転送については、携帯用データ転送simカードを採用し、トランスミッタ・レシーバのデータ転送が無事成功している。データ保管用のサーバについては、京都大学宇津木充助教にグローバルIPを持つサーバを準備していただき、レシーバ・トランスミッタからのリモートアクセスによるデータ転送が実現した。連続観測は、平成30年10月から始まったが、残念ながらトランスミッタが平成30年11月中に故障したため、それ以降はレシーバのみによる連続観測が継続している状態である。また、平成30年度中には、ACTIVE観測に続き阿蘇におけるAMT稠密観測を予定していたが、ACTIVE連続観測に不具合が発生したこともあり、平成30年度中の実施は断念した。また、平成30年度中には、比抵抗の異方性を考慮可能なMTとACTIVEのジョイントインバージョンコードを開発する予定であった。平成30年度中に理論的枠組みが整ったため、現在実際のコード開発が始まった段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成30年度は、阿蘇でのACTIVEの全自動化が成功し、連続観測がスタートした点は大きな前進であった。一方で、全自動観測の維持に大きな労力がかかっており、その他の研究計画が当初の予定通りには進まなかった。ACTIVE連続観測の維持にかかる人的・時間的コストの読みが甘かった点が、進捗の遅れの大きな原因である。平成30年度に計画していた阿蘇山におけるAMT観測、並びに、MTとACTIVEのジョイントインバージョンツールの開発は、再度計画を立案し、進めていく必要がある。

今後の研究の推進方策

平成31年度には、伊豆大島において、ACTIVEのシグナルをAMT機器で受信するカルデラ内の稠密観測を行う。現状、伊豆大島では、東京大学地震研究所の小山崇夫助教の尽力により、2つのトランスミッタと5つのレシーバを用いたACTIVEの連続観測が行われている。小山崇夫助教、並びに、MT観測機器に精通した上嶋准教授と連携しながら、大島での観測計画を立て、実行する。現段階では、平成31年11月に伊豆大島において約20点のAMT観測の実施を計画している。また、当初の計画では、平成31年度に、阿蘇で取得されたデータを比抵抗異方性の可能性を含めて解析し、結果を国際誌に投稿する予定であった。しかしながら、現状AMT観測が終わっていないため、今後は、阿蘇でのACTIVE連続観測を維持する努力を続けながら、AMTの稠密観測の実施までを平成31年度中の目標としたい。ここで、ACTIVEのトランスミッタのシグナルをAMT観測機器で受信することが重要であるので、ACTIVE観測の維持は非常に重要である。また、平成31年度中には、平成30年度に完成できなかったACTIVE・MTジョイントインバージョンコードについても、開発を終わらせる予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度は、阿蘇山におけるAMT観測を予定していたが、都合により実施できなかったことが、次年度使用額が発生した主な要因である。平成31年度中に、阿蘇山でのAMT観測を実施予定であり、次年度使用額は当初の予定どおり、観測に必要な旅費などに充てられる予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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