地球の海は地球質量の0.023%しかなく、これに対して惑星材料物質と考えられている始原天体は数質量%の水を含んでいると推定されている。地球の海と始原天体における水量の不一致の解決策として水素に富む金属核の存在が指摘されてきたが、この仮説を検証するためには惑星形成過程において水素が核に取り込まれた可能性について明らかにしなければいけなかった。 本研究課題で得られた成果は惑星がまだ小さかった場合の核形成過程において、圧力や温度の低い初期段階では水素は核ではなく、マントルに分配されることを示唆するものである。今後より、高温高圧下での実験により地球核が水素の貯蔵層となりうるのか検証することが望まれる。
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