本研究では,地球化学的に復元された食性と形態の時代変化を追跡することで,同一地域内での系統間の競争と孤立地域に移入種が侵入するという2つの生物学的なイベントが与える影響を明らかにすることを目指した.飼育実験を取り入れた研究では食性と歯エナメルの炭素の同位体分別の実数値を求めた.南アジアの齧歯類化石に適応した結果,固い食べ物に有利な形態を段階的に獲得していた系統に草本食の傾向が強く現れていることがわかった.また系統の分岐点を見出し,祖先―子孫関係によって新たに2種を記載した.海洋島のコウモリ集団の研究ではヒトが直接的な絶滅原因であることを初めて明らかにした.
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