S45C材において以下 6 点が確認された.1)プラズマ焼結時の模擬き裂先端の温度は,現在の試験片で最大で550 ℃程度まで上昇することが確認された.2)疲労試験の結果,熱処理材プラズマペースト材,未処理材よりも微粒子プラズマ材の疲労寿命が長くなることが確認された.3)光学顕微鏡を用いた模擬き裂部の充填率確認の結果,充填率はプラズマペースト材,微粒子プラズマ材でいずれも十分でないことが確認された.4)電子顕微鏡を用いた破面観察結果より,破面に観察されるストライエーション幅は微粒子プラズマ材で最も小さいことが確認された.5)組織観察結果より,結晶粒径に大きな違いがなく,現在のプラズマ焼結条件では,結晶粒の粗大化が起こらないことが確認された.6)疲労き裂進展速度が微粒子プラズマ材の場合,未処理材より遅くなることが確認された. SS400材において以下の7点が解明された.1)プラズマペースト法を使用すると寿命が低下する場合が存在すること,2)充填率が上昇すると疲労き裂進展速度が低下すること,3)焼結が進むと疲労き裂進展速度が低下すること,4)硬さ試験により,き裂先端の硬さは未処理材が一番高く,充填率高くなると硬さの低下が少なくなること,5)熱処理によりき裂先端の硬さはHV10程度低下すること,6)脆性破面率が熱処理により上昇すること,7)き裂進展速度が上昇する場合は,脆性破面形成が大きく影響していることが確認された.有限要素法によって新たに以下の 2 点が解明された.1)硬さ変化に基づく力学解析を行った結果, 通電処理後塑性域が拡大することが示された.2)ストライエーション幅の減少率と塑性域の比較により焼結体によるき裂先端の塑性変形抑制効果が示唆された.
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