高齢化社会やInternet of Things(IoT)、Machine to Machine(M2M)を駆使したスマート社会では、患者への負担を軽減可能な医療技術やセンサによって人間の生体・行動情報などをリアルタイムにモニタリングする新たなシステムが求められている。これらの課題に対して、膜厚さ数十~数百nmの高分子超薄膜(以後、ナノシート)は、縫合技術の代替やフレキシブルセンサ、化粧品としての材料として応用可能な高いポテンシャルを秘めている。そこで本研究課題では、ナノシートの有するトライボロジー特性を明らかにすることを主たる目的とする。また、熱ナノインプリント法を用いてナノシートに超微細構造を付与し、ナノシートの高機能化を目指す。微細構造パターンとそれを付与したことにより発現する機能について実験的に明らかにする。具体的には、ナノシートの有する高い凝着力のメカニズム解明および摩擦係数について実験的に検討する。最終的にはロール・ツー・ロール・ナノインプリント法を用いた機能性ナノシートの連続創成技術を構築する。 上記目的の下、本研究ではナノシートの連続創生に成功した。また、作製したナノシートを用いて摩擦実験を実施、ナノシートと指の間との摩擦特性を一部明らかにした。さらに、モールドを用いてナノシートの表面修飾を図った。まず、ナノシートを作製する際に用いる基板のフィルムをエンボス加工において表面を修飾し、それを用いてナノシートを作製することでハニカム構造を有するナノシートの作製に成功した。
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