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2019 年度 実施状況報告書

新たな手法として気体爆轟を用いた爆風シミュレータ:実現象再現度の飛躍的向上

研究課題

研究課題/領域番号 18K13681
研究機関埼玉大学

研究代表者

前田 慎市  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60709319)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード気体デトネーション / 爆風波 / 衝撃波
研究実績の概要

(1)デトネーション駆動部の内径よりも広い内径を有する爆風管を接続した装置を構築し、デトネーション駆動部で起爆した気体デトネーションによって爆風管内の大気中へ爆風波を生成した。内径8 mmのデトネーション駆動部に対して、爆風管の内径を50 mm、87 mm、100 mmと変化させ、内径の変化が爆風波のマッハ数や圧力履歴に与える影響を調査した。デトネーション駆動部出口で生成された爆風波は、初期には爆風管の内壁面に達するまで半球状に発達し、その後壁面と反射しながら徐々に平面状爆風波へと遷移した。半球状に発達する領域に対して、デトネーション波を開放空間の大気へ入射させた場合の理論モデルを適用することで、本試験装置で生成される平面上爆風波の最大圧力を予測可能な手法を検討した。これにより、より広い爆風試験部(爆風管)を設定するための設計指針を得た。
(2)可視化観測用の光学窓を備えた爆風試験部(100 mm×100 mmの矩形管)を用いて、デトネーション駆動部により生成された爆風波をシュリーレン光学系と高速度カメラを用いて時系列観測した。デトネーション駆動部出口から約200 mm、1000 mm、2000 mm、3000 mmの領域で観測した結果、初期には曲率を有していた爆風波面は、1000 mm以降ではほぼ平面状に遷移していることが分かった。200 mm領域では、デトネーション駆動部出口の隔膜が破膜されて飛行してくる様子や、既燃気体が流入してくる様子が観測された。また初期の半球状の爆風波が管壁と反射することで、平面状爆風波の後方に多数の反射衝撃波が追随してくる様子が観測された。これらの影響を軽減するため、デトネーション駆動部出口に拡大ノズルや障害物を設置することにより、爆風試験部において破膜後の隔膜や既燃気体の侵入を軽減し、反射衝撃波の発生を抑制する効果があることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に構築した気体デトネーション駆動・爆風シミュレータの基本装置をもとに、デトネーション駆動部および爆風試験部の形状を変化させて爆風波形を制御できている。また可視化観測用の光学窓を備えた爆風試験部を導入し、デトネーション駆動部から流入してくる既燃気体や、隔膜の破膜に伴う飛散物を直接捉えられたことで、爆風シミュレータとして運用するための実用的問題の改善策が得られた。よって全体的にほぼ予定どおりの達成度が得られている。

今後の研究の推進方策

今後は、生成した爆風波を実際に模擬物体へ作用させ、可視化観測部を通した光学観測により爆風シミュレータとしての実用性を検証する。主に衝撃波背後の圧力変化に着目して、物体の変形・破壊プロセスと爆風負荷との関係を示すため、超高速度カラーカメラを用いた可視化観測を実施する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
次年度に実施する模擬物体を用いた爆風実験に合わせて爆風試験部の詳細を設計する必要が生じたため、本年度は可視化観測が可能な基本形状のみの製作としたため。
(使用計画)
模擬物体を用いた爆風実験に供する爆風試験部を製作するために使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 壁面上に微小な障害物を密に配置した管内における火炎加速とデトネーション遷移過程2019

    • 著者名/発表者名
      平原 佳祐, 色川 正弘, 前田 慎市, 小原 哲郎
    • 学会等名
      第57回燃焼シンポジウム
  • [学会発表] 直管形状のデトネーション駆動型爆風生成装置における駆動部長さが平面状爆風波の最大過剰圧に与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      津田 勇希, 小宮 淳嗣, 前田 慎市, 小原 哲郎
    • 学会等名
      第51回流体力学講演会/第37回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム
  • [備考] 埼玉大学 大学院理工学研究科 機械科学系専攻 熱工学研究室

    • URL

      http://park.saitama-u.ac.jp/~netsu/

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公開日: 2021-01-27  

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