本研究では,高粘度の液で濡れた粒子の離散要素法(DEM)による数値シミュレーションを可能とするためのモデル開発を行った.産業で用いられる高粘度の液体はべき乗則流体であることがしばしばあるため,べき乗則流体の液架橋により粒子に働く粘性力の開発を行いその妥当性を確認した.また,DEMは非常に計算負荷の大きなシミュレーション手法であり,現実的な系に適用するためには計算負荷の低減が必要不可欠である.この問題を解決するため,粘性力に対する半理論解を用いた積分スキームと,粒子剛性を低減する手法をそれぞれ開発した.これらにより,計算精度を落とすことなく,効率的にシミュレーションを行うことが可能となった.
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