応用物理学や機械工学の一分野である熱工学では、熱放射を「光」ではなく「熱」として認識し,それを利用する学問的・工学的体系を構築してきた。通常、温度の関数として決定される熱放射強度の波長分布(スペクトル)の形状を「光学」の基盤技術を用い制御することで高効率な熱輸送の実現が可能となる。シリカエアロゲルという特異な低屈折率性と低熱伝導率性を有する材料を応用することで従来にはない熱制御技術基盤を構築したことが本研究の学術的意義である。また、このような先進熱マネジメント技術は熱システムの省エネルギー化や電子デバイスの放熱性能向上に寄与するものとして大きな社会的意義を持つと考えている。
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