本研究における結果は,単独の熱物性変化のみに着目していた従来の転移材料の応用事例に対し,3つの熱物性変化を効率的に利用するものであり,社会実装として新規熱マネージメント技術の創出となり,波及効果は大きい.さらに,相転移と近接場効果という新しい熱輸送現象を融合させて外部装置や電力不要が一切不要でかつ,必要なときには熱を排熱し,不要なときには保温するシート型熱スイッチの実現は前例がなく,独創性が極めて高い.また,基礎学理の深化として未解明であった遷移金属酸化物の転移点付近の熱物性変化に寄与する機構を明らかにするものであり,学術的意義は大きい.
|