研究課題/領域番号 |
18K13719
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
藤平 祥孝 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (40783379)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ロボットハンド / 流体指 / テクスチャ構造 / 把持耐力 / 力計測 |
研究実績の概要 |
本研究では,流体層と剛体層から成る二層構造流体指内部にテクスチャ構造を付すことで流体指のさらなる把持性能の向上を目指して研究をおこなっている.どのようなテクスチャ構造がどのように把持性能の向上に効果があるかを明らかにし,タスクに応じた最適な二層構造流体指の設計へと応用することを目的としている. 平成30年度の成果としては,指で物体を把持したときの力を計測するための装置を開発し,テクスチャの効果を検証するため,いくつかの基本的なテクスチャパターンを付した指での把持実験の準備を行った.具体的には,把持耐力という把持の基本的な評価指標がテクスチャによってどのように変化するのかについて検証を行ってみることにした.この力を計測するためには,把持力と指と物体との間の接線力を同時に計測する必要があり,把持力と接線力を計測するための力センサを組み込んだ小型の把持耐力計測装置を開発した.開発時の問題点として,把持実験をするときに指と把持物体にコンプライアンス要素が少ない状況で位置制御型のロボットを用いてしまうと,細かく把持耐力を計測することができない.そこで開発した装置には内部にコンプライアンス要素を内蔵しつつその機構の摩擦の影響を計測値が受けないように構造を設計してあり,細かく把持耐力を計測することが可能となっている.開発した装置を用いてテクスチャ構造の効果を検証する把持実験を行うために,いくつかの基本的なテクスチャパターンの指を設計・製作し準備した. 一方で,装置の開発や実験の準備に手間取ってしまいテクスチャ構造を有した指による把持実験までは行えていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,平成30年度に力の計測装置の開発を行いテクスチャ構造が把持性能に与える効果を検証するための実験を行う予定であった.このうち,計測装置の開発を行い,基本的なパターンのテクスチャ構造を有した指を準備することはできたが,装置の開発と準備に手間取ってしまい把持実験の実施にまで至っていない.しかし,実験の準備は終えある程度の目処はたっているため,進捗については,やや遅れている状況であると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,基本的なパターンのテクスチャ構造の把持性能に与える影響について実験により検証と解析を行い,テクスチャ構造が把持に与える効果の力学的なメカニズムを明らかにする.その後,明らかにしたメカニズムを基にして最適な設計方法の提案を行っていきたい.ただし,進捗に応じて,把持性能の指標を把持耐力などに絞って解析をすすめていきたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の経費が想定より少なくなったため端数が余った.学会発表の旅費に充当する予定である.
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