本研究では,人が自由に前腕の変位を与えて操作し,空間内で人の前腕の位置を補助する5自由度の動作補助装置を開発した.同補助装置では,受動関節を機構内に設置している.人が前腕に変位を与えると受動関節が回転し,機構が変位することで,前腕の変位を検知する.同変位に応じて駆動関節で位置を補正することで,空間上の軌跡や面に沿う動作を可能にした.同装置の動作原理を応用し,食事支援装置の基礎装置として,前腕の軌跡補助を行う2自由度の装着形パラレルワイヤ式動作補助装置を開発した.同装置を用いて,手の振えである振戦を抑制した動作補助を実現し,食事支援の基礎手法を確立した.
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