研究課題/領域番号 |
18K13727
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
赤井 直紀 名古屋大学, 情報学研究科, 特任助教 (40786092)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自己位置推定 / 機械学習 / 信頼度 |
研究実績の概要 |
採択前年度からの成果,および採択後の研究成果をまとめ,査読付き国際雑誌論文2編,査読付き国際会議論文3編,査読なし国内論文誌1編,査読なし国内学会論文3編を執筆した. 本年度は,モデルベース法のナビゲーションとして,モデルベース法の自己位置推定に焦点を当て,自己位置推定法の安全保障を行うことを目的として,推定結果の信頼度を推定することを目的とした.この目的の実現のために,まず機械学習を用いて自己位置推定の成功・失敗を判定する方法を開発した.近年の機械学習アルゴリズムの発展もあり,この手法はかなりの精度で推定の正誤を分類することを可能とした.しかしながら,機械学習による識別が完全になることはなく,識別誤差を含むことも明らかとなった.これに対して,「機械学習アルゴリズムによる識別結果を新たな可観測変数として利用できること」,および「この可観測変数を用いて信頼度が推定できること」という2つの仮定を導入し,かつこの2つの仮定を包括した自己位置推定フレームワーク(信頼度付き自己位置推定法)を提案した. 本年度最初は,これを小型移動ロボットに実装し,屋内環境においてその有用性を検証した.しかしながら,機械学習アルゴリズムの計算速度などの問題もあり,屋外を高速に走行する自動車などに適用することが困難であった.そこで,さらに高速化の工夫を行い,時速約50km/hで走行する自動車への実装を可能とした.これにより,屋外を走行する自動車においても適用可能であるという有用性を示した. また関連する課題として,自己位置推定のロバスト性を上げる取組や,ティーチングプレイバックナビゲーションを可能とする手法の開発を行った. これらの成果をまとめ,冒頭に示す論文の執筆を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べた通り,手法の開発は順調に進み,学術論文を執筆することができている.また,関連する研究にも着手することができ,そのテーマでも学術論文を書くことができている.このことから,進捗は当初の計画以上に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,自己位置推定の安全保障を行うことを目的として,機械学習を行う方法を検討し,特に深層学習を利用した.しかしながら,深層学習には広く言われるように「中身がブラックボックスである」という問題がある.そこで次年度の目標として,機械学習に頼らない推定結果の正誤判断を行う方法の開発を行う. 加えて,引き続き自己位置推定法のロバスト性を向上させる取組の検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国際・国内学会への参加を見送ったため,予算執行状況が100%とならなかった.代わりとして,今年度異なる国際・国内学会へ参加するために利用する予定である.
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