昨年度は乗り心地評価を行うためのアクティブシートのハードウェア開発を完了した。アクチュエータはサーボモータとボールねじ、ボールねじに取り付けられたクッションによって構成されている。座面には32本のアクチュエータを配置し、アルミフレームによって支持する構造とした。また電気的なハードウェアの開発も完了しており、それぞれのアクチュエータを独立で制御できるように数μsecで応答可能でかつ、多入力多出力可能なコントローラを採用している。サーボモータの制御はサーボモータ専用のコントローラが1つにつき1つあり、前述のコントローラはそれらを統合するために用いられる。32本のアクチュエータの作成が完了し、統合制御が可能となっている。統合制御アルゴリズム構築はsimulinkベースの開発環境を構築しており、容易に制御アルゴリズムのシミュレーションから変更、実装まで行えるようになっている。シミュレーションから実装を容易に実現できることは今後のソフトウェア開発の高効率化においては重要なポイントである。クッション性の再現には外乱オブザーバを用いて固さの調整を行えるようにした。機械学習系はコントローラとは別に用意しているため、オンラインでの機械学習ではなく、データ取得までをアクティブシートで行い、機械学習は取得したデータをPCに移行してオフラインで行っている。機械学習で得られたパラメータを再度コントローラに移行して乗り心地の向上を実現できる構成としている。乗り心地の評価に関しては被験者を集めることが困難であったため、今回は研究者自らで評価を行っている。 今後は研究者自らの評価が完了次第、被験者を募り、乗り心地の評価を推進したい。
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