• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

蝶の飛翔メカニズムに基づく小型はばたきロボットの姿勢制御手法の立証

研究課題

研究課題/領域番号 18K13733
研究機関東京電機大学

研究代表者

藤川 太郎  東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40618394)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードはばたきロボット / 蝶 / CFD解析
研究実績の概要

本年度は,モータ実装の蝶型はばたきロボットの開発および数値流体力学(CFD)解析システムの構築を行った.
これまでに開発してきた蝶型はばたきロボットは,ゴムを動力とすることで初速0m/sから飛び立ちを実現していたが,その飛翔時間はゴムの巻き数に依存していたためにわずか数秒と短いものであった.よって,数分間の飛翔を実現するためにアクチュエータにφ4mmのDCモータを採用し,ギアにより減速させることで蝶と同様の10Hzでのはばたきを行う機構を開発した.また,本申請研究では様々なパラメータで数多くの飛翔実験を行うため,複数台の実機を必要とする.よって,量産性を考慮して,機体の材料をこれまでのCarbon Fiber Reinforced Plastic (CFRP)からアルミニウムとし,CNC微細加工により製作した.これにより,外部電源によりモータ駆動する,翼幅長100mm程度,質量約1.2gの蝶型はばたきロボットを開発した.さらに,後述するCFD解析システムの構築に必要なデータを取得するため,蝶型はばたきロボットの重心位置を回転自由に支持した状態での,はばたき時における揚力等を測定可能な3軸力覚センサを開発した.
次に,Altair社のHyperWorksを用いたCFD解析システムを構築した.開発したロボットの3D-CADデータを用い,実際のはばたき運動データ(フラッピング角や姿勢角など)を入力することで,翅のはばたき運動とともに重心まわりにボディが回転する様子がシミュレーション上で再現できるようになった.このCFD解析システムにより,開発した蝶型はばたきロボットの揚力や抗力,姿勢角の変化に起因する重心まわりのボディの回転モーメントなどが算出可能となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請当初予定していた蝶型はばたきロボットに実装するためのモータの生産が終了してしまったことに伴い,その代わりとなる新たなモータおよびモータドライバの選定が必要となった.また,計画していた専用モータドライバ開発費用を用いて新たに3軸力覚センサ開発を行ったため,その設計にも時間を要した.これにより,開発した新たな蝶型はばたきロボットの運動解析が不十分という点で,当初の研究計画よりもやや遅れが生じている.
CFD解析システムの構築については,上記蝶型はばたきロボットの運動解析データを用いず,これまでに申請者が解析した,ゴム動力モデルの蝶型はばたきロボットの解析データを用いることでその進捗は計画通り進んでいる.
翌年度,開発した蝶型はばたきロボットの解析データを用いてシステムの信頼性を向上させる予定である.

今後の研究の推進方策

第一に,初年度不十分であった,蝶型はばたきロボットの運動解析を行う.開発した3軸力覚センサを用いることで,重心位置を回転自由に支持した状態での,はばたき時の揚力や重心まわりのボディの回転モーメントなどを測定する.このデータを基にして,構築したCFD解析システムの信頼性の向上を図る.
第二に,申請時の計画通り,1.5倍程度スケールアップすることでペイロードを増やした蝶型はばたきロボットを開発し,バッテリを搭載した自由飛翔を実現する.この様子を高速度カメラで撮影することで三次元解析し,飛翔軌跡と姿勢角の変化量を求める.
第三に,初年度構築した回転運動を再現するCFD解析システムに,飛翔による並進運動を追加する.上記蝶型はばたきロボットの飛翔運動解析結果と合わせることで,蝶型はばたきロボットの自由飛翔をシミュレータで再現し,姿勢制御解析のためのCFD解析システムを構築する.

次年度使用額が生じた理由

当初計画していたモータの生産中止に伴うモータドライバの開発がなくなり,その費用を新たなモータの購入や3軸力覚センサの開発費用に充てた.多少次年度使用額が生じたが,これは蝶型はばたきロボットの開発費として物品購入に充てる予定である.

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi