| 研究課題/領域番号 |
18K13745
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| 研究機関 | 長崎大学 |
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研究代表者 |
横井 裕一 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (80610469)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | モータ / 集中巻 / 分数スロット巻線 / 空間高調波 / 磁気飽和 / 逆起電力 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，鉄心における磁気飽和を積極的に活用することにより，分数スロット集中巻モータのトルク・効率を向上させる設計の実証と，設計理論の確立を目指すものである．本研究の目標を達成するために，2019年度は，①磁気飽和を考慮したギャップ磁束密度分布に基づく固定子の設計法の確立に向けた数値的検討，並びに②磁気飽和による逆起電力の抑制効果に関する実験的検討を実施した．
2019年度の研究実績として，①磁気飽和を考慮したギャップ磁束密度分布に基づく固定子の設計法の確立に向けた数値的検討により，分数スロット集中巻構成の主要なスロット・極のコンビネーションである3スロット2極構成（実際には12スロット8極），9スロット8極構成，12スロット10極構成に対して，提案する固定子設計法が有効であることを明らかにした．各構成に応じて形状の調整は必要であるものの，固定子ティース先端部における磁気飽和を積極的に発生させて効率を向上することができる．また，②磁気飽和による逆起電力の抑制効果に関する実験的検討により，入力電流に応じて磁気飽和を発生させることによって逆起電力を大きく抑えることができることを実証することができた．この抑制効果が発生する動作点においては，比較対象となる従来型と比較して効率の向上が期待できることも明らかにした．これらのことから，実験機において事前の数値的検討で予測していた固定子ティース先端部における磁気飽和が発生していると結論付けることができる．この成果は2019年8月の電気学会産業応用部門大会で報告している．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度では，①磁気飽和を考慮したギャップ磁束密度分布に基づく固定子の設計法の確立に向けた数値的検討において，分数スロット集中巻構成の主要なスロット・極のコンビネーションに対して，提案する固定子設計法が有効であることを明らかにすることができた．また，②磁気飽和による逆起電力の抑制効果に関する実験的検討では，実験機による低速回転時の検証を完了しているが，実験装置の制限により，高速回転時の検証を残している．したがって，総合的にはやや遅れている状況である．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として，①磁気飽和を考慮したギャップ磁束密度分布に基づく固定子の設計法の確立に向けた検討では，2019年度に得られた数値的検討結果を踏まえて，設計理論の確立を目指す．②磁気飽和による逆起電力の抑制効果に関する実験的検討では，実験機による高速回転時の検証，磁気飽和に伴うインダクタンスの変化を実測して，その成果を報告する予定である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
都合により国際会議への参加を取りやめた旅費が減少した．また，新型コロナウイルス感染症の影響により，2019年度購入を計画していた高速回転試験用負荷システムの一部を，2020年度購入することに変更している.
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