本研究の目的は,鉄心における磁気飽和を積極的に活用することにより,分数スロット集中巻モータの性能を向上させる設計を確立し,実証することである.モータ設計では一般的に,磁束量の増加を抑制する磁気飽和は特性を悪化させるものとして極力避けられてきた.本研究では,磁気飽和により固定パラメータとみなされるd軸およびq軸インダクタンスを大きく変化させて,分数スロット集中巻モータの性能向上が可能であることを理論的検討かつ有限要素法解析を用いた数値的検討により明らかにするとともに,実験機を試作してその妥当性を実証している.
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