研究課題/領域番号 |
18K13749
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
八尾 惇 富山県立大学, 工学部, 助教 (70779074)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 鉄損 / 磁性材料 |
研究実績の概要 |
本研究では、高効率な高温モータシステムの実現を目指し、インバータ励磁下の高温磁性材料研究を行う。ここでは、高温環境の磁性材料の基礎特性の測定等を行う。 本年度、得られた主な成果としては、高温環境下の磁性材料の基礎特性である。具体的には、下記の2点の成果を得た。 (1)高温インバータ回路を用い、高温インバータ励磁下のNO (無方向性電磁鋼板)材の磁気ヒステリシス曲線を実験的に評価した。ここでは、インバータの温度特性がインバータ励磁下の磁気特性に影響を及ぼすことを示した。(2)また、プレイモデルおよびカウア等価回路モデル (磁気特性を表現するモデル)を用いた数値計算により、高温インバータ励磁下の磁性材料の磁気ヒステリシス特性の表現に成功した。以上の2点が、本年度に得られた主な成果である。 以上の実験および数値計算結果に関連する内容をまとめ、Proceedings of The Joint MMM (Magnetism and Magnetic Materials)-Intermag 2019、平成30年電気学会産業応用部門大会、第177回鉄鋼協会春季講演大会および平成31年 電気学会全国大会等で発表した。また、Journal of the Meteorological Society of Japan (JMSJ)に論文が採択された。なお、他に、来年度以降の予備検討として、高温環境下のアモルファス材の基礎特性も得た。また、Si-IGBTおよびGaN-FETインバータ励磁下のナノ結晶リングコアの鉄損特性も得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、高効率な高温モータシステムの実現を目指し、以下の2つの成果等を得た。 (1) 高温インバータ励磁下のNO (無方向性電磁鋼板)材の磁気ヒステリシス特性および鉄損特性 (2) 予備実験による高温環境下のアモルファス材の基礎特性 この結果は、当初計画の予定通りの結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、NO材以外の他の磁性材料を用いて、磁性材料の差異による特性の変化を把握し、高温磁気特性の体系的に評価する。具体的には、NO材コアの他に、低損失材を用いたコアを実験的に評価する。併せて、昨年度に確立した数値計算手法を用い、高温環境下の磁気特性を体系的に評価する。
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