研究課題
本研究の目的は,新たに開発した小角散乱X線撮像法は(USAXS)を用いて,従来の吸収コントラストX線撮像方式では困難であった初期乳癌の特徴である微小石灰化や腫瘤の形成のない段階での早期の微小腫瘍細胞などを描出することである.これまでに提案されているUSAXS法は,散乱が生じやすい微小石灰化等を描出できるものの,感度が不足しており,微小な腫瘍組織を描出するには至っていない.令和2年度は,昨年度開発したTakagi-Taupin方程式に基づく結晶内のエネルギー伝搬シミュレータを使用し、仮想的な円筒ファントムおよび生体ファントムをCT撮像し、結晶の厚さと空間分解能およびコントラストの関係について定量的に調査した。このシミュレーションは仮想的にCTのための投影像を撮像するため膨大な演算が必要になり名古屋大学のスーパーコンピュータが使用された。ここで得た結果を基に新たなUSAXS光学系をあいちシンクロトロン光センターBL8S2ビームラインに構築した。この装置で、様々な種類の粉末からなるサンプルを撮影し、吸収コントラストでは描出できない内部の散乱情報を再構成することができた。また、乳腺試料や肺試料等様々な生体試料を撮影した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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