研究課題/領域番号 |
18K13772
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
中村 僚兵 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 講師 (70735969)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ドローン検知 / レーダ / 超広帯域 / 反射特性 / 各種ドローン / 識別 / サポートベクタ―マシン |
研究実績の概要 |
前年度は5種のドローンのレーダ反射断面積(RCS)と超広帯域(UWB)レーダによるアスペクト角に対する反射特性を明らかにした.前年度は電波暗室内で各ドローンを固定させた状態で反射特性の検討を実施したが,今年度は各ドローンを飛行させて以下の検討を行い,学術論文1件,国際会議論文1件,国内学会発表2件の成果をあげた(2020年4月現在). 1.5種のドローンおよび鳥型ラジコンの飛行時の反射特性解析 大きさやローターの数の異なる5種類のドローン(Phantom 3, Bebop Drone, 3DR Solo, Mavic Pro, Matrice 600)を飛行させ,UWBレーダによる反射信号計測実験を行い,ドローンの反射特性の解明と特徴の一般性の実証を行った.その結果,昨年度実施した固定状態での結果と同様に,本体形状やローターの数に関わらず,ドローン固有の反射波が得られることを明らかにした.また,翼をはばたかせるタイプの鳥型ラジコンを用いて,翼をはばたかせた状態の反射特性を検討した.その反射特性は上述した5種のドローンの反射特性とは明らかに異なり,鳥とドローンの分離識別が期待できることを明らかにした. 2.各ドローン及び鳥の分離識別法の基礎検討 項目1で計測した5種のドローンと鳥型ラジコンの飛行時のデータをもとに,各ドローン及び鳥の分離識別法の基礎検討を実施した.ここでは,分離識別のための特徴量として,対象からの反射信号の数と対象のRCSを採用し,機械学習法の一つであるサポートベクタマシン(SVM)による識別特性について検討した.その結果,分類クラスをドローンと鳥型ラジコンの2クラスとした場合は,100%の精度で分類できることを示した.また,分類クラスを5種のドローンとして,各ドローン間の識別性能についても検討したが,概ね80%以上の精度で分類できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の研究計画通りに進捗しており,学術論文1件,国際会議論文1件,国内学会発表2件と研究成果をあげている.このような状況から,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度にドローンと鳥の識別の検討を開始したが,基礎的な検討を実施したのみであり, 分類精度に改善の余地があることや,飛行時のデータが不足している.そこで,本年度はドローンと他の飛来物の分離識別法の開発を引き続き実施する.ここでは,各種ドローンを様々な高度や角度から飛行させたデータを計測し,分類の検討を行うことや,それに伴い,分離識別に有効な新たな特徴量について検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は研究発表における掲載費用及び国際会議の出張費用を所属研究機関の研究費にて処置したためである.今後の推進方策に記載した内容に従い,研究を実施するが,当該研究結果を国内会議と国際会議および学術論文で報告するために,研究費を使用する予定である.さらに実験を実施する際に必要な物品の購入にも充当する予定である.
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