強磁性半導体は磁性不純物をドーピングすることで半導体を強磁性にしている。キュリー温度を上げるためには、磁性不純物濃度を増大させる必要があるが、一方で電子移動度の低下をまねいてしまう。遷移金属カルコゲナイドMoS2は、シリコンを超える次世代半導体としての期待があり、多結晶グレイン境界や格子欠陥を含むと強磁性を示すことが知られており、ドーピングフリー強磁性半導体として期待ができる。本研究では、まずスパッタ法により、多結晶MoS2の成膜に成功し、アトミックスケールの層状構造が形成されていることを確認した。さらに、磁化測定を実施し、大きい飽和磁化を観測することに成功した。
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