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2019 年度 実績報告書

連続した界面のヘテロ接合創製と結晶シリコン太陽電池特性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 18K13790
研究機関大阪大学

研究代表者

今村 健太郎  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (60591302)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードシリコン太陽電池 / ナノシリコン / ヘテロ接合
研究実績の概要

2018年度には、バンドギャップが拡大するナノ結晶シリコン層の形成条件の検討を実施し、ボロンを拡散することで少数キャリアライフタイムの向上を試みたが、実際に得られた少数キャリアライフタイムの値は、層を形成しない場合に比べて大きく低下した。バンドギャップはナノ結晶シリコンのサイズが小さくなればそれだけ拡大する。シリコンの溶解を促進しすぎたため、ナノ結晶シリコンの孤立あるいはボロン拡散時の酸化によって、ナノ結晶シリコン層の電界が少数キャリア再結合防止に有効に機能しなかったと結論付け、2019年度は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって、形成された構造を確認しつつ、ナノ結晶シリコン層の形成条件を見直した。その結果、TEMによって約5nmのシリコンの格子パターンが明瞭に観察できる均一なナノ結晶シリコン層の形成に成功した。ケルビンプローブフォース顕微鏡、X線光電子分光、フォトルミネッセンス測定を用いバンド構造を明確にした。太陽電池の表面側に用い、太陽電池の高効率化に実績のある屈折率勾配型のナノ結晶シリコン層と今回の均一型の層のバンド構造を比較し、今回の構造が少数キャリア再結合防止に最適な急峻なバンド構造変化を有していることを明確化した。また、エリプソメトリー測定値を解析することで、空孔率を含む層の構成を解明した。光学解析からも今回形成した構造が均一であることが確認された。形成したナノ結晶シリコン層にボロンを拡散し、少数キャリアライフタイムを評価したところ、ナノ結晶シリコン層を形成していない場合に比べわずかではあるが向上が確認された。太陽電池については、その後工程でナノ結晶シリコン層がシリコン基板から剥離してしまうことが防げず特性の向上には至らなかったが、ボロン拡散前のバンド構造が再結合抑制に有望な構造であることから、ボロン拡散プロセスを改良することで特性向上が期待できると結論した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Enhancement of Boron Back-Surface-Field and Suppression of Auger Recombination to Improve Ultralow-Reflectance Si Solar Cells2020

    • 著者名/発表者名
      Kunieda Shogo、Imamura Kentaro、Kobayashi Hikaru
    • 雑誌名

      ECS Journal of Solid State Science and Technology

      巻: 9 ページ: 045013~045013

    • DOI

      10.1149/2162-8777/ab8b6e

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Black silicon-correlation between microstructure and Raman scattering2019

    • 著者名/発表者名
      Jurecka Stanislav, Pincik Emil, Imamura Kentaro, Matsumoto Taketoshi, Kobayashi Hikaru
    • 雑誌名

      Journal of Electrical Engineering

      巻: 70 ページ: 58~64

    • DOI

      doi.org/10.2478/jee-2019-0042

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ベイズ最適化法を用いる拡散工程の最適化によるSi太陽電池の高効率化2020

    • 著者名/発表者名
      國枝省吾, 今村健太郎, 小林光
    • 学会等名
      第67回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] Machine learning optimization of diffusion process for black Si solar cells fabricated with surface structure chemical transfer method2020

    • 著者名/発表者名
      S. Kunieda, K. Imamura, H. Kobayashi
    • 学会等名
      The 23rd SANKEN International Symposium, The 18th SANKEN Nanotechnology International Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] シリコンナノクリスタル層/シリコン構造による結晶シリコン表面でのキャリア再結合の防止2019

    • 著者名/発表者名
      鬼塚裕也, 今村健太郎, 小林光
    • 学会等名
      第80回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] Analysis of band-structure of nanocrystalline Si layer for high efficiency Si solar cells2019

    • 著者名/発表者名
      Y. Onitsuka, K. Imamura, H. Kobayashi
    • 学会等名
      The 22nd SANKEN International Symposium, The 17th SANKEN Nanotechnology International Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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